WiFi America

On Pointというラジオ番組で10月6日に放送された表題の内容を聞いた。表題のリンク先でWindows MediaとReal Mediaのオンデマンドストリーミングが聞ける。残念ながらiPodでは聞けないがWindows Media対応のデジタル音楽プレーヤーがあれば、Windows Mediaに対応したストリーミングダウンロードソフト(たとえばSDP)を使ってダウンロードしてからプレーヤーに移すことで聞くことができる。
番組の内容はアメリカ国内ので運用・計画されている地方公共団体による無線LANインターネットサービスについてである。一般向けの全国放送のラジオ番組であり、番組のホストが折に触れてフォローや質問をするのでITが専門でない人にも分かりやすいと思う。
市当局による無線LANインターネットサービスの計画としてはフィラデルフィア市が有名である。同市はサービスの構築・運用をEarthLinkに委託することに決め、現在は契約内容の細部の詰めをおこなっている。サービスは安価ではあるが無料ではない。市所有の街灯の支柱(light pole)をサービス業者に提供するとなどにより3年目には年間200万ドルの収入を得る計画である。
サンフランシスコ市も同様の計画を進めており、計画に応募した業者の中にGoogleとEarthLinkが含まれている。Googleは既にサンフランシスコの一部の地域で無料の無線LANサービスを始めているが、市当局に計画が認められれば市全体に対して無料で無線LANサービスを提供することになる。
フィラデルフィア市の計画でさえ実はこの種の計画としては後発で、全米では90ものプロジェクトがあり、既に運用段階にあるものもある。そしてフィラデルフィア・サンフランシスコに先行する計画は大都市ではなく中小の市町での計画である。その中にはPre-WiMAXを使っているアメリカ先住民のコミュニティにインターネット接続を提供するものもある。
既存の通信会社は地方公共団体によるインターネットサービスに対して批判的である。民業圧迫となるからである。それに対して、推進する側は無線LANによるインターネットサービスはケーブルテレビやADSLによるサービスに比べて信頼性や速度の点で劣っており、既存の商用サービスの顧客である経済的に余裕のある層を奪うことはないと主張する。しかし、現状では全米の1/3の世帯しかブロードバンドインターネットサービスを使っておらず、残りの2/3の中には経済的に余裕のある層が含まれているはずであるとも言われる。

2005-10-24追記

サンフランシスコのラジオ局KQEDの番組KQED Forumで「A Wi-Fi San Francisco?」という回があった。サンフランシスコ市の無線LAN計画に対して現在26社が応募しているそうだ。