The Advent of Superplatforms

IT Conversationsで表題の講演を聞いた。表題を翻訳すると「スーパープラットフォームの出現」となる。スーパープラットフォームとは従来のプラットフォームを拡張した、より多くの部品を持つプラットフォームという意味で、以下のような部品から構成される。

さらに、こういったプラットフォームを組み合わせたものの中で、ある程度のシェアを持つものをスーパープラットフォームと定義している。表題のリンク先でMP3ファイルがダウンロードできる。

概要

現在の経済のグローバル化についてJohn HagelとJohn Seely Brownの著書*1は非常に参考になる。そして、この本からも以下のことが言える。

  • コアコンピタンスに集中してグローバルにパートナーを求めなければ生き残れない。
  • 変化し続けなければ取り残される。

後者についてはS&P500*2に20年以上とどまっている会社が14社しかないことを指摘しておく。
こういった状況に、より迅速に対応するためにサービス指向アーキテクチャ(SOA)で情報システムを構築する重要である。そのためにスーパープラットフォームの利用を考慮する必要がある。スーパープラットフォームは従来のプラットフォームよりずっと多くの部品を持ち、それらが結合されている。有効に活用すれば情報システムの構築を大きく効率化できる。一方で、ベンダーにロックインされる度合いが高くなるが。
多くの構成部品を持ち、一定のシェアを持つものをスーパープラットフォームと呼ぶとすると、スーパープラットフォームには以下がある。

これ以外にも多くの機能を備えたプラットフォーム製品もあるが、上記のものとは機能面および/あるいはシェアで上記のものから大きく遅れている。オープンソースでの多くの機能を備えたものもあるが、機能の数や各機能の統合の度合いは非オープンソースのものとは一線を画している。十分なシェアを獲得していないプラットフォーム製品はスーパープラットフォームとオープンソースのプラットフォームにはさまれて、居場所がなくなるだろう。
上記のスーパープラットフォームの中で.NET以外はJavaベースである。また、BEAだけは自らのデータベースを持っていない*3ので今後は苦しいのではないか。数年前、BEAがアプリケーションサーバーで圧倒的なシェアを持っていたことを考えて欲しい。
スーパープラットフォームを使うに当たってはサードパーティー製品を組み合わせることに慎重にならなければならない。スーパープラットフォームを使う利点は様々な機能が統合されている点にあり、サードパーティー製品を使うことはその利点を損なうことになるからである。たとえばポータル機能を考えて欲しい。以前は多数の独立したポータル製品があったが、現在ではほとんど生き残っていない。スーパープラットフォームがポータル機能を備えているからである。

*1:本ブログのこのエントリで紹介したBrown氏の講演が同書の内容に沿っている。

*2:McGrawHill社が選定している優良企業500社。定期的に見直される。

*3:SAPはどうなのだろう?