現代版「母を訪ねて三千里」

30年ほど前だろうか、イタリアから南米に出稼ぎに行ってずっと帰って来ない母を訪ねて子供が旅をするという「母を訪ねて三千里」というアニメがあった。現在でも、中南米からアメリカへの出稼ぎ(ほとんどは不法就労)に出た母を訪ねて子供が旅をするということが数多く起こっている。年間4万8000人そういう子供が確認されているそうだ。
NPRのFresh Airというラジオ番組で2月20日に、そういう親子を取り上げた「Against Perils and Odds: A Boy's Trek to the U.S.」と題するリポートがあった。そのウェブページでストリーミングで番組が聞ける。また、NPRのポッドキャストMost E-mail Story2月21日配信分は34分25秒目以降が、そのリポートになっている。このリポートのウェブページには内容がかなり詳しく載っているので聞き取りの助けになるのではないかと思う。
リポートが取り上げている15歳の少年エンリケ(Enrique)はホンジュラスから何度もアメリカをめざして旅をし、7回目にしてやっとノースカロライナに住む母親に会うことができた。多くの不法入国者がそうするように、エンリケは陸路アメリカをめざした。メキシコ内の移動は貨物列車の屋根やその他の外側の部分に乗ってである。途中やくざ者に身包みはがれて母の電話番号を書いた紙切れもなくしてしまったが、故郷の親戚に何とか電話をすることができ、母の電話番号を知ることができた。24時間何も食べないことも何度かあった。最終的には母が不法入国業者にお金を払って国境を越えさせてくれた。