ウイルスによる癌治療

IT Conversationsでウイルスによる癌治療の開発を進めているNeoTropix社のCEOのPaul Hallenbeck氏へのインタビューを聞いた。表題のリンク先でMP3ファイルがダウンロードできる。
19世紀の終わりごろにはすでに癌患者がウイルス感染すると癌が改善されることが知られていて、わざとウイルス感染させることもおこなわれていた。NetTropix社は現代の癌治療で使えるウイルス療法の開発を進めている。
同社が現在研究しているウイルスで、腫瘍細胞に感染して正常細胞には感染しないものができていて、動物実験で非常にいい結果が得られていると言う。たとえば小細胞肺癌(small cell lung cancer)は進行が早くまた治療成績もよくないのだが、それに有効なウイルスが見つかっている。ある抗癌剤では癌細胞を10個殺すのに付き正常細胞を1つ殺してしまうが、研究中のウイルスでは100万対1である。ウイルス治療では治療用のウイルスが免疫に攻撃されてしまうことが課題だったが、もともと他の動物に感染するウイルスを使うことでそれを防ぐことに成功した。
現在のところハツカネズミ・豚・猿で良好な実験結果を得るまでになっていて、来年には治験をおこなうそうだ。小細胞肺癌以外の癌に使えるウイルスの研究も進めてられている。