Carved in Sand: When Attention Fails and Memory Fades in Midlife

中年のジャーナリストの筆者が、自分の知的能力に衰えを感じはじめて、自ら以下の様々な対策を講じる3年間の過程を書き綴った本である。

  • 複数のことを同時にすることを避ける
  • サプリメント
  • 脳トレ的なトレーニン
  • 知覚促進作用のある薬物。具体的には以下の処方薬を試している。
    • 注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療薬であるアデラル(Adderall)。筆者にとって効果が大きかったが、パーソナリティーに変化をきたしたのと、依存性があることから服用をやめた。
    • ナルコレプシーの治療薬であるモダフィニル(modafinil)。こちらもアデラルほど大きくはないが、十分に効果があった。
  • 瞑想
  • バイオフィードバック
  • 睡眠の改善
  • 甲状腺機能障害の治療
  • 社交ダンス

これらの対策の結果、知的能力は改善されたが、それにはどの対策がどれくらい貢献したかは分からない。個々の対策の中には、効果がなかったもの、効果が長続きしなかったもの、効果があったが続けなかったもの(薬物)もあった。多くの対策はその道の専門家(大学で研究を行ないつつ臨床も行なっている医師など)を訪れて行なっている。
実際に筆者が行った対策以外に以下の点についても触れている。

  • 薬の副作用
  • アルコールやコーヒーなどの嗜好品の影響
  • 常に新しいことや新しいやりかたにチャレンジする日々の心がけ
  • エストロゲンの減少の影響とその対策
  • 脳に余力を与えておくとアルツハイマー病の発症が抑えられる

この本を知ったきっかけは、NPRのラジオ番組である。その中で筆者は「本のための取材の中で、日々の心がけで知的能力が若い頃より向上した人も居た」と述べていた。

Carved in Sand: When Attention Fails and Memory Fades in Midlife

Carved in Sand: When Attention Fails and Memory Fades in Midlife

2009-10-17追記

日本語訳が出ている。

記憶力をのばしたい!

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