「少女時代と日本の音楽生態系」
- 作者: 三浦文夫
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/10/10
- メディア: 新書
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若者が多く消費するような音楽について、1960年代から現在まで、日本の市場・日本のアーティストのことを「敷衍」し、KPOPに関する突っ込んだ解説とアジアや欧米の音楽市場の説明を通じて日本のアーティストの海外進出へのヒント・提言も示しています。そうしないと、豊かな現代日本の音楽文化が衰退してしまうのではないかと。
「傾き者(かぶきもの)」というヴィジュアル系な人が江戸時代以前から居て、visual-keiというのが外国でも通じる言葉になっているというのは面白いと思いました。そういった文化的歴史的視点の指摘がいくつも見られました。
触れられている曲・アーティストには聞いたことがないものもあるのですが、それらが簡単に聞ける方法はないものでしょうかね。そういうものをパッケージ化するのは権利処理が難しそうですが、音楽文化の発展に寄与して、音楽産業としてもプラスだと思え、なんとかならないものかという気もします。
私としては、この本のような感じで日本のアイドルに焦点を当てたものがあれば読んでみたいと思いました。また、以前はアイドルの音楽に関わっていたような人が、今はアニメソングに関わっているようにも思え、そのあたりの解説も読んでみたい。それらが日本の音楽産業とか映像産業全体、娯楽産業全体という文脈の中で語られると面白いだろう、と。