広島と長崎で二重被爆した山口彊さんのBBCの番組での扱いはやはり不適切

新聞やテレビで報道されているこの件について、一次情報を見てみようと、1月23日にYouTubeで検索したらみつかった。12月13日に投稿され、多くのコメントが付いていた。そして、日本語字幕が付いた動画もみつかった。しかし、24日に再び見ようとしたらどちらも見えなくなっていた。そこで再度YouTubeで「bbc qi unluckiest man」で検索したら別の人がアップロードした動画が見つかった。字幕なしも字幕付きも。その映像を見たい方には、YouTubeで検索してみることをお勧めする。
問題の番組はBBCのQIという番組で、番組のウェブページで以下のように紹介されている。

Comedy quiz show full of quirky facts, in which contestants are rewarded more if their answers are 'quite interesting'.
[実際にあった変なことが満載のお笑いクイズ番組。出演者は答えが『興味深い』と高得点を獲得]

出演者はコメディアンのようだ。問題の放送の中で「ヤマグチという名前からどこの国の人かわかるでしょう」と司会者が言うと出演者の一人が「オランダか?」とぼけたりしている。
番組の問題の部分は、山口さんを笑いものにしているわけではない。それでも、映像を見れば不適切なものと感じる人が多いと思う。ポルノや下品さを言葉で定義することは難しいが見れば分かることと似ている。番組のその部分の言葉のやり取りを文字にしたものも見かけるが、文字にしたものを見て不適切に感じないからといって、不適切でないことにはならない。
そもそも番組の性格からして、この番組で第二次大戦中のロンドン空襲や911テロ、ナチスの虐殺などの犠牲者が取り上げられるとは考えにくい。
BBCは1月22日付で謝罪を表明しているが、この内容が企画され、撮影され、放送された事実は変えられない。多くのイギリス人にとって、やはり日本人は遠い存在なのだろう。ロンドン空襲の被災者に対する思いと同様の思いを日本の被爆者には感じられないほどに。
ところで、MSN産経ニュースこの記事には以下のように書かれている。

番組プロデューサーが18日に「不快にさせて大変残念」と電子メールで謝罪。一方、第二次大戦中の欧米人の悲惨な経験も「同様に取り上げてきた」とも訴えた。[強調は筆者]

しかし、英語と日本語の他の報道では「第二次大戦中の欧米人の悲惨な経験」に関する記述は見られない。電子メール原本があればいいのだが。また、ロンドン空襲(London bombing, London blitz)で検索してもQIの動画はみつからなかった。