Can't Remember What I Forgot/私が何を忘れたか、思い出せない
Can't Remember What I Forgot: Your Memory, Your Mind, Your Future
- 作者: Sue Halpern
- 出版社/メーカー: Broadway Books
- 発売日: 2009/05/26
- メディア: ペーパーバック
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- 作者: スーハルパーン,丸山敬,Sue Halpern,田中敦子
- 出版社/メーカー: ウェッジ
- 発売日: 2009/02
- メディア: 単行本
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- 加齢による記憶力の低下と、アルツハイマー病は脳内の別の場所で起こっていて、メカニズムも違う。分子レベルでのメカニズムも解明されつつある。
- 加齢による記憶力の低下は、海馬(hippocampus)にある歯状回(dentate gyrus)で起こっていていると考えられる。そこでは神経細胞新生が起こっている。そして歯状回ではRBAP48というタンパク質がタンパク合成を制御していて、加齢とともにRBAP48の生成は低下する。同時に、加齢により歯状回での神経細胞新生が低下することも分かっている。しかし、RBAP48が神経細胞新生に関わっているとはまだ確認されていない。
- 有酸素運動は歯状回で神経細胞新生を促すことが確かめられており、また、有酸素運動は人間の記憶力を高めることも確かめられている。
- 薬剤で人間以外の動物の記憶力を高めることはできているが、人間の記憶力を高めると確認されている薬剤はない。
- アルツハイマー病は海馬傍回(parahippocampal gyrus)の嗅内皮質(entorhinal cortex)でレトロマー(retromer)という物質が阻害されることで起こっていると考えられる。ハツカネズミのレトロマーを阻害することでアルツハイマー病と同様の状態を起こせることは確認されている。しかし、レトロマーが働くようにしてアルツハイマー病を治療することはまだできていない。
- これらのことの解明にコロンビア大学のスコット・スモール(Scott Small)が率いる研究チームが多大な貢献をしている。スモールは分子、細胞、脳組織、臨床すべてのレベルを考慮することで大きな成果を上げることができた。
筆者は執筆の過程で加齢による記憶力低下とアルツハイマー病が克服される日が近いと感じるに至り、そう番組の中で述べていた。