海賊の「ビジネスモデル」

Planet Moneyというポッドキャストの4月22日配信の回で、ソマリアの海賊の「ビジネスモデル」を紹介していた。

  • 海賊団を組織するには15万米ドルから25万米ドル必要。
  • その資金で、高速船や武器(AK47ライフルやロケット弾)を調達し、構成員を雇う。
  • 海賊団の運営は構成員への食事の提供等、商船の運用と同様のもろもろが必要。
  • 情報収集が必須。インド洋を闇雲に探しても獲物は見つからない。貧しい国の人を人質にとっても身代金は得られない。アメリカ人を人質にとると米軍に攻撃される危険がある。
  • 武器の扱いや、操船は誰にでもできるわけではなく、雇った構成員を訓練しなければならない。
  • 貨物船を襲って得られる身代金は100万米ドルから200万米ドル程度。
  • 身代金の30%は出資者に、20%は見逃してくれている政府関係者に、残りを構成員で分ける。
  • 構成員は役割ごとに分け前が違っていて、獲物を威嚇・攻撃して乗り込む人が最も多くを貰い、乗っ取った船で監視しているだけの人の分け前は少ない。
  • 成功報酬は最も分け前の少ない人で1000米ドルほど。ソマリアの平均年収は500米ドルに比べれば十分に高い。
  • 出資金に対する利回りはかなり高いと言える。
  • 身代金が現状より大きく高くなることはない。高いと船主は払おうにも払えず、払ってもらえなければ海賊の意味がない。また、身代金が高くなれば、高い身代金を払うよりは、自衛にもっとお金を使ったほうがましということで、自衛手段が強化され、襲うことが難しくなってしまうから。

迷惑メールの送信は商売として行われており、経済的側面が大きいのと同様に、海賊行為も経済的側面が大きいのだろう。どちらも経済的に成り立たないようになるまではなくならないように思える。暴力団もたぶん、つかまる危険性・量刑・収益との兼ね合いでやることを決めているのだろう。