ナン・チャパティ・ロティ

日本で食べるインド料理にはナンが付き物なので、インド人はナンを日常的に食べると長らく思っていたが、違うようだ。ナンと同様 小麦粉で作った、より素朴な「チャパティ」のほうがずっと一般的だとのこと。職場にインド人が何人かいるのだが、その人たちがそう言っていた。中には、「日本に来るまでにナンは2回しか食べたことがなかった」と言う人も居た。ナンとチャパティの違いは…

チャパティのほうがずっと簡単に作れるはずで、実際、職場のインド人も自宅で作って食べているそうだ。
ところで、シンガポールには南インドから移住した人の子孫がかなり居るので(タミル語公用語の1つになっている)、シンガポール料理にはその影響がかなりある。職場の近所のシンガポール料理店でカレーを食べたときに「ロティ」という薄い円形のパンを食べてみた。そこのロティはバターが生地に練りこんであって、薄い層が幾つもあり、クロワッサンの生地を円形に伸ばしてフライパンで焼いたような感じだった。ロティと名が付くものを食べたのはそれが初めてだったので、ロティというのはそういうものかと思ったが、そうではないようだ。シンガポールに限らずその周辺でもロティは食されていて、多くの場合クロワッサンのようにはせず、普通に小麦粉をこねて伸ばして焼くだけのようだ。
Googleで「roti recipe」を検索してみたら、ロティの作り方を紹介しているビデオがみつかった。これは私が知っているチャパティそのものだ。とても分かりやすくて作ってみたくなった。

職場のインド人にこのビデオを見せたら、彼のチャパティの作り方と同じだそうだ。更に、チャパティとロティの違いを聞いたら、ロティは伸ばしてからたたんでまた伸ばしてということをして生地が何層もになるようにしてから焼いたものだそうだ。ビデオに出演しているインド人はそうでないものをロティと呼んでいるのだから、チャパティとロティの区別は人によるということにはなるだろうが。
また、日本に居るインド人はビデオに出てきたようなチャパティを焼くための鉄板をインドからもって来ているとののこと。普通のフライパンでも焼けなくはないが、やはり専用のもののほうが鉄の厚みがあって具合がいいとのだそうだ。
また、タミルナドゥ州(インド南部)出身の別のインド人によると、インド南部ではチャパティやロティは常食というわけではなく、米を常食としているそうだ。彼の家ではチャパティを食べるのは月に何度かで、やはりチャパティ用の鉄板を持っている。そして彼はロティとは呼ばずにパラタ(paratha)と呼ぶ。彼の出身地では夜になるとパラタの屋台が出ているとのこと。インドでも南部以外ではチャパティやロティを常食としているようであるが。