Firefox日本語版にabout:mozillaで表示されるモジラの書の引用に改善の余地あり

Firefox 3.0 RC1の日本語版で、URLとして「about:mozilla」を入力したときに出てくる「モジラの書からの引用」を見たところ、意味が分からなかった。そこで、英語版の「about:mozilla」を見たところ、以下のようになっている。

Mammon slept. And the beast reborn spread over the earth and its numbers grew legion. And they proclaimed the times and sacrificed crops unto the fire, with the cunning of foxes. And they built a new world in their own image as promised by the sacred words, and spoke of the beast with their children. Mammon awoke, and lo! it was naught but a follower.

これは、以下のように訳すほうがいいのではないか。

物欲の神は眠りについた。そして、生まれ変わった野獣は大地に広がり、その数を大きく増した。そして狐の狡猾さをもって、人々は時代を称え作物を火に捧げた。そして聖なる書で約束された姿に従って新たな世界を築き、野獣の物語を子らに語り継いだ。物欲の神は目覚めた。見よ。物欲の神は追随者に成り下がった。

少し説明をすると・・・

  • Mammon: 新約聖書に出てくる物欲の神。日本では常識の範疇には入らないので、「マモン」を訳に入れる必要はないように思う。
  • naught: ことわざではnothingの代わりに使われる。「naught but a follower」は「nothing but a follower」と同じで、「追随者以外の何者でもない」ということ。

現在入っている4つの日本語訳

ちなみに、Firefox 3.0 RC1日本語版には以下の4つの日本語訳が入っていて、そのどれかが表示される。

邪神マモンは眠りに落ちた。復活せし野獣は大地を巡り、数を増やして軍勢をなした。新たな時の到来は広く告げられ、人々は狐の叡智をもって実りを炎の供物とした。そして聖なる書の約束の地、夢を紡いだ第二の世界を築いた人々は、その子らに野獣を語り継いだ。マモンが目覚めた時、見よ!残されしはただ一人の従者のみ。

マンモンは眠りに落ちた。そして生まれ変わった野獣は地の果てにまで広まり、その数は軍団となるほどに増えた。そして彼らはその時が来たことを宣言し、狐の狡猾さとともに収穫物を炎に捧げた。そして彼らは神聖なる言葉によって約束されていたとおり、彼らが求めていた新しい世界を作りあげ、子供たちに野獣のことを語り伝えた。マンモンは目覚め、そして見た!そこには追従者となった己以外に誰もいなかった。

マモンは深き眠りに落ちた。蘇えりし野獣は群れを成し、地を覆い尽くさんばかりに広がった。人々は時の到来を賛美し、狡猾なる狐と共に実りを炎に捧げた。そして彼らは神聖なる預言の約束の地たる新しき世界を築き上げ、その子らに野獣のことを語り聞かせた。眠りから目覚めしマモンよ、見よ!もはや追従者でしかない己の姿を。

マモンは目を閉じた。生まれ変わった獣は全世界に増殖し、やがて大群へと成長した。人々は時を誉め称え、ずる賢い狐と共に、炎に作物を捧げた。そして人々は、聖なる言葉によって約束された想像上の地に、新たな世界を作り、獣について子孫に語り伝えた。目覚めしマモンよ、見よ!一人の信奉者以外にお前の味方は誰もいないのだ。