食事時間の調節で時差に適応できるらしい

Science Friday「Circadian Clock Sets at Lunchtime(体内時計は昼食時間に合っている)」と題する部分があった。その内容は以下の通りである。

  • 12時間から16時間何も食べなかったあとで食べると、そのときを基準に体内時計がセットされる。そのしくみがハツカネズミで確認された。カロリーのないものを食べさせるのではその効果はなかった。20時間何も食べさせないと、体内時計調整の効果がより高かった。
  • この仕組みが人間にもあるとすると(その可能性は高い)、時差のある場所に行く前にはしばら食事をとらないでおいて、現地の朝の時間になったときに食事を取ると(現地の朝食時間に合わせると)、現地の時間にすぐに適応できることになる。
  • 体内時計の主役は概日リズム(circadian rhythm)であり、これは大脳の視交叉上核(suprachiasmatic nucleus)が支配しており、光によって調整される。これに加えて、食事時間で調整される体内時計が背内側核視床下核(dorsomedial hypothalamic nucleus(放送の中ではdorsomedial nucleusと呼んでいた))にあることがハツカネズミで確認された。長時間食事をしなかったあとに食事をすると背内側核視床下核の体内時計が支配的になる。概日リズムは最大でも1日に1・2時間しかずれないが、背内側核視床下核の体内時計はずっと大きくずらすことができる。
  • 確認されたのはハツカネズミについてであるが、活動時間が食餌時間で変わる現象は多くの動物で確認されており、また、背内側核視床下核は人間にもある。したがって、同じ仕組みが人間にも働いている可能性は高い。